石井良一先生著「武雄史」を読む<健康増進法>
2005年01月25日
石井良一先生著「武雄史」を読む<健康増進法>
石井良一先生の令孫石井義彦先生は、「武雄史」の発行者であります。
そのむすびにかえて、祖父の「思い出」を寄稿されています。中でも「健康法」のくだりは大変感慨深かったのでここに紹介させていただきます。
“元来祖父は心身ともに、誰にも負けぬほどの元気者でしたが、何か積極的な健康増進法をやらなければ、生来の丈夫さだけではどうしても年にうち勝っていくことはできないといっておりました。朝、家族の誰よりも早く起きるとまづ水風呂を浴び、そして裸のままで十分ばかり我流の体操をやるのです。これが祖父の自慢の健康法で、夏も冬も、また仕事の関係で北海道に行っていた時も、一日として欠かしたことがありませんでした。方々の史蹟の調査に行くにも、3里ぐらいの所までは必ず歩いて行き、お供をいいつけられた私もこれには全く閉口したものです。歩くのが健康の第一歩だというのです。”
健康増進法は、
第一に「水風呂」。
第二に「裸で我流の体操を10分」。
第三に「歩くこと」。
いまの私の生活ではとうてい実行できないような事柄です。
当時60歳にしてなんと精力的でありましょうか。
また、徒歩も3里とのこと。わが家から武雄往復くらいの距離です。
そういえば私の祖母(ミワ)も学生時代、北方から武雄女学校まで歩いて通学していたとを申しておりました。それがまいにちなのですから・・・当時は大変だったろうと思います。健康法とは意味合いが違ったかと思いますが、今時の交通事情や環境からみれば「歩く」ということはとても素晴らしいことのように思えます。しかしながらそんな時代に戻れるかというとこれまた困難のようです。ゆっくりとした時間の使い方は今思えばとても贅沢なことなのかもしれません。
それにしても私を含めて人は歩かなくなりました。道を歩いているのは児童・生徒と高齢者の方々(夜や早朝に)ばかりです。これは私の住む地方で顕著です。
徒歩で通勤していた時がありました。道路を歩いていると、心配してか路肩に車を止め、声をかけてくださることがしばしばありました。その都度、歩く理由をお話しておりました。なかには、免許取り上げかなにかで自動車に乗れなくなったのではないかと心配なさった方もおられたりして、困惑したりもしました。なんだかんだしているうちに忙しさも後押しして、いつの頃からか徒歩通勤・自転車通勤を止めてしまいました。
歩くことは老後の楽しみなのでしょうか。
「スローライフ」と「スローフード」。最近よく見聞きします。
ともに、よい響きの言葉です。
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